体型で人の性格を判断している
私たちは一般に、「やせている人は神経質」「太った人はおおらか」というイメージを持っています。もちろんこれは第一印象のことですから、本当かどうかはつきあってみなければわかりません。しかし、やせている人が非常におおらかであったり、逆に太っている人がすごく神経質であったりすると、意外に感じることから、私たちは体型で人の性格を判断してしまうことを無意識のうちにやってしまっていることがわかります。
無意識なのですから、それをやめようと思ってもやめられるものではありません。美しいものをきれい、汚いものを気持ち悪いと思うのと同じくらいに無意識で人の第一印象を決めてしまいます。
それはあくまで第一印象ですから、どう思われようと仕方がないとあきらめてはいられません。人との出会いは第一印象ですべてが決定することがほとんどだからです。
確かに、人はよくつきあえばその人の本当の性格が理解できますが、「よくつきあう人」というのは、毎日出会う人の何割なのかをまず考えてみてください。隣に住んでいる人、街角で出会う人、店員さん、合コンで出会った人など、一瞬しかつきあわない人は1日に何十人もいます。そのなかで「よくつきあう人」が何割いるか?を考えると、1割にも満たないはずです。
ということは、私たちは出会った人のほとんどを第一印象で決めてしまっていることがわかります。「この人が自分のメリットになるかどうか?」を瞬間で判断するわけですから、第一印象をおろそかにするようでは、人とのつきあいで大損することになります。しかし人に与える第一印象の恐ろしさに気づいていない人が多いようです。
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第一印象をおろそかにするようでは、人とのつきあいで大損することになります!
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第一印象の恐ろしさ
“肉体的な美は精神的な美をあらわす”──つまり外見でその人の性格が判明するという理論は古くはプラトンまでさかのぼることができます。この考え方はルネサンス期に再び花開き、イタリアの古典学者マルシリオ・フィチーノは「美はいわば善が花開いたものである」といい、イタリアの作家で外交官のバルダッサーレ・カスティリョーネは1516年に「美しい肉体に邪悪な魂が宿ることはまずない」といい、イギリスの哲学者は16世紀に「醜いからだをした人間は自然な愛情を欠いている」と述べています。
こんなことを言われたときには、太った人は街を歩くことすらできません。まさに人権侵害です。ですが、この時代の人々は真剣にこのようなことを考えていたわけで、現代でこそ、こんなセリフはたわごととして処理されますが、私たちが美しい体型からその人の性格を判断してしまう習性は根強く残っており、それを消し去ることは不可能です。だからこそ、私たちはダイエットにはげむのです。
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みなさんがダイエットに固執するのは、「他人の第一印象を操作するため」なことを身にしみて感じてください
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とても愉快なクレッチマーの類型論
現代の心理学の教科書には必ず登場する超有名なクレッチマーという学者は体型と性格分類を結びつけた理論を堂々とうたっています。鼻から牛乳が出てしまうほど滑稽な理論ですが、ここではそれをかいつまんで紹介してみます。
やせ型
=分裂性気質
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| 基本的特徴: |
非社交的、もの静か、用心深い、きまじめ、変わり者 |
| 敏感性: |
臆病、恥ずかしがりや、繊細、敏感、神経質、興奮しやすい、自然や本を好む |
| 鈍感性: |
従順、おひとよし、無関心、鈍感 |
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肥満型
=そううつ性気質
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| 基本的特徴: |
社交的、親切、温かみがある、善良 |
| 敏感性: |
明朗、ユーモアがある、興奮しやすい、活発 |
| 鈍感性: |
静か、無口、落ち着いている、柔和 |
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筋肉質型
=粘着性気質
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| 基本的特徴: |
熱中しやすい、几帳面、秩序を好む、頑固 |
| 敏感性: |
まわりくどい、人に対して丁寧、仕事は確実だが手早くやることは苦手 |
| 鈍感性: |
時に激しく興奮したり、爆発的に怒り出す |
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引用:山田ゆかり 1992年
クレッチマーは、第一印象だけで人の性格のすべてを判断してしまおうと必死になって研究した第一人者でした。「やせている」という事柄だけで、「自然や本を好む」「変わり者」「従順」「おひとよし」というところまでわかるわけないだろう! と言いたいほどくだらない理論ですが、1921年に発表されたこの論文が、現在でも世界の倫理や哲学や心理学の教科書に掲載されていることから、そのヒットぶりがどのくらい爆発的なものだったかが想像できると思います。時に学者は“世界の大ウソつき”になるのです。
しかし、これをバカにしてはいけません。第一印象で人の性格までわかるはずがないことは常識ですが、逆に考えると、「第一印象で他人にこのように思われている可能性がある」と考えなければなりません。ならば「第一印象で人の心を操作できる!」と考えるべきです。みなさんがダイエットに固執するのは、「他人の第一印象を操作するため」にあることを身にしみて感じてほしいからこそ、私はこのクレッチマーの理論を引っ張り出してきたのです。
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やせ型の人はノルアドレナリンの分泌が高い
私がこのダイエット理論を展開してきたなかで、1つのキーワードになっているのが「ノルアドレナリン」です。ノルアドレナリンは交感神経の興奮を高めるホルモンで、人を覚醒させ、戦闘体勢をとらせるためのホルモンです。戦闘体勢の時、人は脂肪を燃焼してエネルギーを作り出そうとするので、このホルモンの分泌が高いと「やせ体質」になっていきます。ですから、ダイエットの基本はこのノルアドレナリンをいかに分泌させていくか?によるということは、これまでも口がすっぱくなるほど言ってきました。
では、実際にどうすればノルアドレナリンがたくさん分泌されるでしょう? それは、不安や緊張、警戒、怒り、葛藤、恋愛、意欲、集中など、人が何かに向かって意識を高めているときにこのホルモンの分泌が高まります。ですから、何でもいいから脳が活発に動くことをしていれば、やせ体質を作っていくことができるということです。ダイエットのために減量することは重要ですが、それにも増して、やせ体質を作ることも非常に重要なのです。
クレッチマーのように、体型と性格をあそこまで露骨に論じることはありませんが、現代医学の知識を使って説明するとすれば、「脳が活発に動いている人→ノルアドレナリンの分泌が高い→やせ体質を作る」ということができます。だからこそ、私たちはやせた人を見ると、“神経質で脳が活発に動いている”という第一印象を持ってしまうのかもしれないわけです。
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体型が人に与える影響力
体型が人に与える第一印象は強烈です。今回はクレッチマーの理論を用いて、その強烈さをアピールさせていただきました。人の性格から行動パターンまでを第一印象だけで決めてしまうという誠に失礼でバカバカしい理論が今もなお、教科書に掲載されているくらいに蔓延しているこの事実。それをふまえたうえで、他人は自分のことを第一印象だけで判断しようとしていることに気づいていただきたかったのです。
ならばその心理効果を逆に利用して、有利に生きる方法を見つける。それがダイエットの奥義ではないでしょうか。
健康のためにダイエットにはげむ。そういう方もいらっしゃってそれはそれで大変有意義なことです。ですが、健康体を手に入れることだけが目的であるのでしたら、ダイエットなど必要ない方がほとんどです。BMI(ボディーマスインデックス)で計算すれば、ほとんどの人がダイエットしなくても今のままの体重でいいはずです。健康体の範囲にほとんどの人が入っています。
ですが、そうではないのです。ダイエットは人の第一印象を操作するために行われる。今のダイエット熱はこの一点に集中していると思えます。ファッションやコスメで第一印象をよくするのと同様、ダイエットでよい印象を作るための努力なのです。
クレッチマーのように、体型という第一印象だけで、あそこまで判断され、16世紀には「醜い者は悪」とまで言われていたわけですから、おろそかにはできません。そして私たちは今日もまた、ダイエットにはげむことになるのです。ですが、「ダイエットは明日から」と毎日思ってしまう私は、今もタヌキ腹が引っ込まないで困っています。ああ、甘いものが食べたい!
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『Love Love ダイエット』は今回をもちまして終了します。長い間のご愛読誠にありがとうございました。2週間後にまたお会いしましょう!
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<ご愛読していただいたみなさま方へ>
『Love Love ダイエット』は今回をもちまして終了とさせていただきます。長い間、ご愛読いただきまして誠にありがとうございました。
体重が70kgから増えもしない、減りもしない私は半分あきらめつつもダイエット理論を連載させていただきました。東京に住みながら、マイカーは持たず、毎日電車を利用して歩いてはいるものの、慢性の運動不足で体重はいっこうに減らない現状です。
この状況を打破すべく、2週間の充電期間をいただいた後に新連載をスタートさせたいと思っています。再び、ダイエットについて、みなさまに少しでも勇気が出るようにとエールを送るコラムを書いてまいりますので、今後もよろしくお願いいたします。2週間後にまたお会いしましょう。
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| 藤田徳人 |
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