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人間は咀嚼時に、複雑な顎の運動をしています。そのため、小さい頃からバランスのとれた正しい噛み方をしないと、顔がゆがんでしまいます(!!)。食べ物を前歯でつかみ、前歯や臼歯で噛み切り、かみ砕くような良い咀嚼運動が大事です。
良い咀嚼をするためには、唇を閉じ、口元を良く閉め、左右バランス良くゆっくり噛みましょう。口の中に入った食べ物を良く味わい、噛みしめましょう。この時、噛みごたえのある食材や調理法を選べば、おのずと口元が閉まってたくさん噛むことを実感できます。

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日本大学歯学部教授
赤坂守人先生 |

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私たちはものを食べるとき、例えば豆腐は「噛まなくても飲み込めるような柔らかいもの」、ごぼうの煮物は「たくさん噛んで食べるもの」、など、まず目でその食物の特性を認識してから口に運びます。その後、口にいれると歯の根元にある歯根膜という場所がセンサーとなり、食品の固さを認識して脳にどの程度咀嚼するかを命令します。歯根膜は奥歯よりも前歯のほうが感度が良く、歯触りの良いものを楽しんで食べられます。



食事をするときについつい水分を取りすぎてしまう人はいませんか? 特にペットボトル飲料などで流し込むように食事をすると、ほとんど噛まずに飲んでしまっているのです。
よく噛む習慣をつけないと、口の中の清潔さが保たれなくなって虫歯や歯周病を引き起こします。また、普段から柔らかい食べ物ばかりを食べていると、急に噛みごたえがあるものを食べたときに顎に負荷が掛かり、口を開け閉めするとガクガク音がしたり、口をあけるのも十分できなくなるような顎(がく)関節症という病気を引き起こす原因にもなります。



高度成長後、日本は生活習慣や食べ物の多様化によって、日本古来の食べ方、スタイルが伝承されなくなってきています。仕事を持つ人はもちろんですが、家庭でも何かと何かの合間に急いで食事を取るという人が増えています。そうなると、早く食事を済ますことのできる口当たりの良い、柔らかいものを選んで食べがちになります。早食いは肥満のもとです。ゆっくりと時間をかけてたくさん噛んで食べるだけで、満腹感やきちんと食事をしたという心理的満足感がもたらされ、ついつい食べ過ぎるということもないでしょう。
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